上記のようなネット上での遠近両用レンズについてのやり取りがありました。
私はメガネ屋ですので、興味を覚えて読んでみると、なるほどと感心をしてしまいました。
これは売らんかなのセールス目的ではないので信用度が高いと思いました。
ぜひより多くの方にお読みいただきたいと考え掲示します。
メガネ業界もこうした事の情報提供がおろそかになっていると反省もしています。
少しですが、私の意見も示します。 最後には私なりにまとめてみました。
賞月堂 一宮店店長 野々村郁夫
『今週末、母がメガネを作るのに付き合うのですが、遠近両用メガネを作ろうと思っています。
初めて作るのですが、お勧めのレンズ等、ありましたら教えて下さい。軽くて、薄くて、傷がつきにくいものが良いのですが・・・。選び方のポイント等も教えていただけると助かります。よろしくお願いします。』
●スタッフAさんの回答
『一度作った事がありますが、足元の階段が遠くに見え・・・とても怖くて使い物にはなりません。
慣れの問題なのは判りますが、外出時に下を見るのが怖いのも困りもの!...
正面を向くので姿勢はよくなるかも知れませんが?』
●スタッフBさんの回答
『遠近両用メガネの場合、天地幅が狭すぎると視野がかなりせまくなり、
使いづらくなる場合もあるので注意しましょう。』
●スタッフCさんの回答
『既製品で度数だけを合わせるものや枠とレンズを好みで選ぶ物まで価格も1万円前後から7-8万円ぐらいまで色々あります。選択の基準は軽くて割れないプラスティック・レンズとすること、
視野は実際にサンプルで試すのがよいでしょう。』
●優秀回答者
『はじめまして、元眼鏡屋さんです。^^』 ≪これは期待できます。≫
一般的なことを書き込みますが、もっと詳しい情報があれば更なるアドバイスができるかも。
それはお母さんが
1.近視か?遠視か?正視か?
2.メガネを掛けること自体初めてか?
3.何歳なのか?
4.何か近くを頻繁に見るような仕事をしているのか?
5.どのように使うつもりなのか?などです。
≪さすがです。元プロは目の付けどころが違います。≫
まずフレーム選択です。
フレームは好きな形を選んで構いません。
店員さんのウンチクも聴いてあげましょう。
しかし大きさには制限があります。 私的には結構明確です。
上下幅40mm以上。
ワケがあります。 遠近両用レンズを加工する際、老眼部分の広さをどのくらいにするか?
という問題がありまして、これは使い方や経験、クセなどにより千差万別です。
≪今の傾向は確かに上下に浅いのですが、40ミリは深すぎると思います。35ミリを推奨!≫
初めてかける人には老眼部分を広く取らないのが定石です。 その通りです。
これは遠近両用で見たとき(特に立って足元を見たときなどに顕著)にレンズの下部分(老眼部分)がぼやけて歪んで見えます。
遠近両用メガネ初装の人はこれに驚きますのでその部分を広めに取らないのですが、
あまり小さなフレームでは老眼部分を下側にレイアウトする(つまり狭くする)と老眼部分そのものがなくなってしまいます。
逆に充分な広さを残そうとすると歪みの部分が上になりすぎて慣れにくいメガネになります。
次にレンズの選択です。
大手メーカーはまぁ、安心して使えるでしょう。
NIKON、HOYA、SEIKO、東海あたりですね。
私の経験からですが、上記以外のレンズはコーティングの良し悪しにバラつきが多いように感じました。
コーティング剥がれのクレームは大手が少ないです。
それから老眼以外の度数、つまり遠くを見るときの度数(近視・遠視・乱視)が弱いもしくは何もない場合値段の高いレンズにあまり意味はありません。
それに老眼は必ず進行します。
60歳の半ばごろまでは年々老眼が強くなって行きますので、だいたい2~3年に1度はメガネ(レンズ)を買い換えることになるのです。
2年も経ったら使えなくなる物に最高級品をフンパツすることはありません。
ただし近視や遠視が強いときは薄型レンズを使った方が軽くカッコよく仕上がります。
最近では軽く薄くキズつきにくいプラスチック薄型レンズが主流ですね。
これからお店や眼科で検査を受けるなら仮フレームを掛けたまま立ち上がって見てください。
きっと足元を見るとボンヤリとゆがんでいるはずです。
でもみんなそうなのです、でもとても慣れそうにないなと思ったらはっきり伝えてください。
また検査は眼科で済ませても前述のレイアウトは眼鏡店で行うはずです。
お母さんが頻繁に近くを見るような仕事をしている(例えば事務職とか)などの理由がなければあまり老眼部分を広く取らないようにそれとなく言ってみてもいいでしょう。
とにかくこんないろいろな情報を店員に伝えてあげましょう。
≪聞き上手こそ優秀なメガネ店員です。≫
後で『こんなつもりじゃなかったのに・・・』といってもダメですよ。
色々ありがとうございます。お言葉に甘えて補足をさせていただきます。
母は67歳、父の会社の経理をしているので、帳簿をつけたりすることが多いです。
老眼鏡は持っているので必要に応じてかけていたのですが、忘れたり、バックに入れて壊れたりするので、遠近両用にしようと思った様です。
近視ではありません。
お時間がありましたらよろしくお願いします。
●優秀回答者
補足を拝見しました。
微妙なのは【67歳】という年齢ですね。
60歳過ぎからの初遠近は慣れにくい。
統計的に累進レンズ=境目のない遠近両用レンズに慣れやすいのは50歳代前半までに掛け始めた人たちだといわれています。
ちょっと専門的なハナシになりますが、67歳では30~35cmくらいに老眼のピントをあわせるためには年齢的に+2.50位は老眼加入度が必要になりますが、これはほとんど【全開の老眼】と言える度数でこれ以上はあまり進まないというくらいの度です。
まず、お母さんの遠くを見る部分には度数がない(素通し)遠近を作ると仮定してお話してみます。
遠近の上部分(遠くを見る部分)は度数ゼロ、
対して下部分(老眼部分)の度数は+2.50とすればその差は 2.50です。
もしこれが50歳で掛け始めたなら、+1.50とか+2.00程度で済むわけです。
つまりこの上と下の差が少ないほどレンズの歪みとぼやけが少ないのです。
だから若いうちに掛ける人ほど慣れが早いのです。
≪私は慣れきるのに2週間掛かりました。≫
お母さんは67歳ですからはっきり手元が見えるように強い老眼の度を入れるとすると、
初めて掛けるのに最強力な歪みのあるレンズから掛けはじめることになるのです。
慣れにくいのは間違いないでしょう。
≪その通りです≫
しかし最初から掛けてドンドン出歩くなどすると不安でしょうから使い方としては
【離れたものも見える老眼鏡】と考えて使うのがいいでしょう。
まずはじめは室内使用に限定します。
【帳簿を見ながら離れたホワイトボードを見る】とか【番組欄を見ながらテレビを見る】といったことは目線の移動だけで見ることが出来、これは老眼鏡には出来ない芸当です。
屋内ならばドンドン掛けて歩いてみるようにします。
そうするうちに歪んだ足元の見え方というものに慣れてくるのです。
掛け慣れてくると歪みがなくなるわけではなくて、あくまでも気にならなくなるのです。
また近くを見るときは老眼鏡を取り出して・・・
離れたものを見るときにはまた外して・・・といった煩わしさもありません。
それに【老眼鏡を掛けて見る】ということ自体、いかにも老人という印象を与えてしまうものですが、
女性の方は結構気になるものですよね。
遠近ではひとつのメガネで遠くも近くも見ることになるのでそのような印象を与えません。
さらには【遠近】といわれていますが、ホントは【遠中近】なのです。
度の強い老眼鏡ほど中間的な距離、つまり60cmとか70cmくらいのものを見るときに微妙にぼやけてしまって使いにくいものですが、累進遠近なら中間部分で見ることによりピントを合わせることができるのです。
老眼鏡を使っていてその不便さから購入を決意されたということは、積極的に遠近を試してみようというお気持ちがある方なのでは?と思います。
これは私が販売していてお客様と話しているうちに感じたことですが、性格的にチャレンジ精神旺盛というか好奇心旺盛な方は積極的にいろんな場面で使ってみて便利さを体験されているようですが、逆にそうでない方は何かひとつマイナス部分があるとそればかりに目が行ってしまい、他の良い部分に目を向けられなくなるようでしたので無理にはおすすめしませんでした。
テストレンズを装用してみて『こりゃダメだ!』となればダメでしょうけどね
必ずテストレンズは装用してくださいね、そしてテストレンズは小さいものが多いので実際より少しだけゆがみは少なく見えるようです。
少々慣れにくいことを承知の上で購入されるのなら・・・
●標準的なレンズを選ぶ。
●あまり小さなフレームを選ばない。
●フルリムフレームが丈夫でおすすめです。 慣れないうちは掛けたりはずしたりするものですからふちなしでは壊してしまいやすいですよ。
≪ここは意見が違います。最近ではふち無しのほうが丈夫な眼鏡が増えています。≫
●事務仕事の使い勝手に重きを置くのなら老眼部分を少なくすると使いにくいですね、でも掛け歩いたりするのに慣れやすいのは狭い方です。
よく考えて店員さんの意見も聞いてください。
こんなところですね。
購入後は徐々に使い慣らしてください。
67年間体験したことのない見え方になるのですからすぐに慣れるはずなどありません。
それから加工技術やレイアウトのしっかりしているところを選べればベストですがねぇ。
こればっかりは見ただけでは分かりません。
テストレンズの第一印象がひどいものでなければ、購入の価値ありと思いますのでこれからの使い方なども視野に入れてご検討ください。
長文失礼しました。 ありがとうございました。
≪私ならこの方にはインドア専用の眼鏡をお薦めしたいです。
外出は無理ですが室内専用なら慣れやすくてよく見えます。
まずそれで慣れてから次回に遠近両用にジャンプアップします。≫
大変丁寧にありがとうございました。
慣れるのに少し若い方が良いのは初めて知りました。
とても参考になり、メガネ屋さんに行っても安心してメガネ選びが出来ます。
どうもありがとうございました。週末にでも行ってみたいと思います。
1.遠近両用は出来るだけ若い年齢が有利です。 度が弱いから慣れやすいのです。
2.フレームの上下幅は35ミリくらいが最も見やすく慣れ易い。初心者ほど深く!
3.どうしても慣れ切れない際の再検査交換制度があるお店か確認のこと。
4.その際に、クレームが気軽に言えるお店の雰囲気があること。
5.その声を積極的に拾う努力をしているメガネ店であること。
6.遠近は技術的に難しいので技術のしっかりしたお店が絶対です。
7.本人が遠近を使用されている年齢のスタッフから求めたいものです。
8.慣れやすいデザインランクは・・ 外面累進→内面累進→両面累進と序列あり。
9.単純な近視は比較的に慣れやすいので安いレンズでOK
10.反して遠視は慣れにくいので一ランク上のデザインをお薦めします。
★結論★
難しい人ほど高級なレンズが必要です。年齢の高い人ほど高級レンズが必要です。
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遠近両用の完成レンズ(枠入れ後)には縦35ミリ横50ミリという1750m㎡の範囲内で遠方視野の度数と近方視野の度数を棲み分けるのがレンズの設計です。そこにメーカーの姿勢が見えています。 |
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その表示は+1.00 +1.50 +2.00 +2.50 +3.00 と言うように表示します。(実際は+0.25刻み) |
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土台となる遠方度数が軽度の近視の方 慣れやすい |
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遠用の起点から近用度数までの度数が変化するまでの長さをこのように呼びます。 |
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1.6 1.67 1.7以上 |
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老眼は進行します。 |
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もうほとんどが境目のないプラスチックレンズが主流です。 私も一度ゴルフ用に作りましたが、 |